6-3 飛行機の「乗り換え」「途中降機」「途中寄航」について


飛行機の乗換え(=トランスファー)と途中降機(=ストップオーバー)と途中寄航(=トランジット)はよく混同される言葉ですが、意味合いが異なります。ここでそれぞれ解説いたします。

乗換え=トランスファー

乗換え(トランスファー)とは、飛行機を途中の空港で乗り換えることです。目的の国(空港)へ直行ではなく、途中で他の空港に立ち寄り飛行機を乗り換えます。これを「乗り継ぎ便」といい、格安航空券にはわりとこの「乗り継ぎ便」が多いです。直行便より時間がかかるためです。

例1)大韓航空のヨーロッパ行きの場合。日本を出てまずはソウルの空港にて飛行機を降り、そこでヨーロッパ行きの飛行機に乗り換える。
(日本発の便の乗客にはソウルが最終目的地の人やヨーロッパではなく他の国への国際線に乗り換える乗客などが混在しています)

例2)アエロフロート航空で日本から中近東ドバイへ行く場合。モスクワの空港で飛行機を乗り換えてドバイに向かう。

例3)シンガポール航空で日本からインドネシアに行く場合。シンガポールの空港でインドネシア行きの飛行機に乗り換える。

乗り継ぎ便の場合、ボーディングパスは基本的に最初の空港でのチェックインで2フライト分(2枚)が発券されますが、乗り換ぎ時間が長い場合等、乗り換ぎの空港で乗り継ぎ分のボーディングパスを発券する場合もあります。この場合は乗り換えの空港で「トランスファーカウンター」へ向かいます。ここで乗り継ぎ便のボーディングパスを発券してもらいます。

乗り継ぎの流れ

1)乗り継ぎの空港についたら手荷物すべて持って飛行機をおります。

2)電動掲示板などで乗り換え便の出発ゲートを確認し移動します。

3)空港によっては途中で1〜2回荷物のセキュリティチェックがあります

4)出発ゲートに着いたらあとは出発を待つだけです。

注意点:
イミグレーション(入国審査場)へ行かなように注意しましょう。 乗継便のボーディングパスをもらっていない場合はトランスファーカウンターで手続きします。パスポートと予約確認書を提示して発券してもらいましょう。

機内預け入れ荷物は自動的に乗せ換えられます。これを「スルーチェックイン」といいます。まれに間違って載せ替えられることもあり、荷物が行方不明になることがあります。これを「ロストバケッジ」といいます。

乗り継ぎ時間に余裕がある場合は空港を散策したり免税店で買い物したりもできます。現地通貨がない場合は両替も可能。クレジットカードも使えます(小額の買い物にはカードは使えないこともあるので注意)。

途中降機=ストップオーバー

乗り換え(トランスファー)が必要なチケットで乗り継ぎの空港まで来た時に、乗り換えを同日に行わず翌日以降の便を利用する場合など「乗り換え地で24時間以上滞在すること」を途中降機(ストップオーバー)といいます。
乗り継ぎ便は乗り継ぐフライトをひとくくりのフライト(一つの旅程)という扱いになるので、これを離脱するから「途中(で飛行機を)降機する」なんですね。
これをうまく利用すると、目的地だけでなく乗り換え地も観光することができます。

例1)台湾で乗り換えることになるチャイナエアラインでローマに行く場合。台湾では同日に乗り換えずいったん入国し市内で1日滞在・観光し、翌日のローマ行きの便に乗る。

例2)ルフトハンザを利用して日本からスペインのマドリッドに行く場合。乗り換え地のフランクフルトで一端入国し市内を観光・滞在後、翌日の便でマドリッドに飛ぶ。

ちなみにヨーロッパの場合はシェンゲン協定があるため、フランクフルト→マドリッドは出入国審査を通らずに国内線と同じように行くことができます。

途中降機は無料でできる航空券もあれば追加料金がかかる場合もあります。航空券によって異なるので購入時に確認しましょう。

途中降機で注意しなくてはいけないのは「機内預け荷物」です。機内預けにした荷物は基本的に最終目的地まで受け取ることができません。荷物がないと困る場合は機内持ち込みにしましょう(サイズ制限あり)。航空会社によっては、事前に申し出れば、経由地で預入荷物を引き出すことが可能な場合もあります。ただしその場合は一度入国してターンテーブルに行く必要があります。

途中寄航=トランジット

途中寄航(トランジット)とは、A空港からB空港へのフライトの途中に別の空港(C空港)に立ち寄ることです。 乗客は機内で待機するか、いったん飛行機を降りて待合室で待ち再び同じ飛行機に乗り出発します。基本的に空港からでることはできません。
乗り換え(トランスファー)との違いは、乗る飛行機が変わらないことです。 C空港で新たに搭乗客を乗せたりもして、同じ飛行機で出発します。だから寄航=寄り道なんですね。
途中寄航する理由はいくつかありますが、直行便だと需要が少なく十分に集客できない路線の場合に途中寄航することでうまく乗客を確保するため、とか、給油や貨物のため、などです。

例)エミレーツ航空でドバイ空港発、マルタ行きの便で、途中キプロスに途中寄航する。そこで降りる乗客もいれば乗り込んでくる乗客もいる。

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