海外旅行保険の必要性
海外で事故や病気などの大きなトラブルに遭う確率はあまり高くはありません。旅歴27年45カ国の経験がある私でも過去に実際旅行保険にお世話になったのは、盗難保険1回、携行品損害1回の2回のみです。それでも保険には必ず加入することをお勧めします。保険は「安心料」です。もし何かあっても保険があるから気兼ねなしに旅できる。逆に保険に加入しなかった場合、旅の間中つねに病気や事故などのトラブルにびくびくしながら旅することになり旅を楽しめません。
賢くお得に加入しよう!旅行保険
海外旅行保険は無駄に多くかけてしまっていたり、逆に不完全な保険のまま旅に出てしまう人は多いようです。
ツアーや航空券を購入すると旅行代理店から申込書と一緒に保険加入申込書が同封されてくる場合がありますが、それに加入するのはちょっとまってください。保険はなんとなくわかりにくいですが、だからといって旅行代理店が勧める保険会社のパック保険に加入すると必要のない保険まで組み込まれていて無駄な出費になる可能性があります。
クレジットカードの付帯旅行保険の「落とし穴」
クレジットカードに海外旅行保険が付帯していることがあるのはご存知の方も多いとは思います。そしてこの付帯保険のみで海外に旅立つ人を時々見かけます。
しかし、付帯していても安心してはいけません。
実は思わぬ落とし穴が2つあるのです。
落とし穴1:
カード付帯保険は「旅費をそのカードで支払うことが保険適用条件」の場合がある
カードを持っているだけで自動で旅行保険が付いてくると思っていません か?実は旅行保険付帯カードの中には「その旅行にかかわる費用をそのカードで支払った場合にのみ適用」という条件付きのカードがけっこうあるのです。旅行にかかわる費用とは、ツアー料金や航空券などのことです。もしこれらを現金や別のクレジットカードで支払っている場合、旅行保険が適用になりません。入ってるつもりだったが無保険だった、なんてことになりかねません。
カードやクラスによって条件は異なりますので、お手持ちのクレジットカードの旅行保険について一度ちゃんと確認しましょう。
事例:三井住友VISAカードの場合
* 下記条件のいずれかを満たした場合にのみ保険適用される。
1. 日本出国前に航空機、電車、船舶、タクシー、バスといった公共交通乗用具の利用代金を当該カードで支払った場合。
2. 日本出国前に宿泊を伴う募集型企画旅行の旅行代金を当該カードで支払った場合。
3. 日本出国後に公共交通乗用具の利用代金をはじめて当該カードで支払った場合
落とし穴2:
カード付帯保険は「補償内容・金額が十分ではない」ことが多い
カード付帯旅行保険の内容はちゃんと理解しているでしょうか。カードやクラスによって補償内容は異なりますが、世の中に出回っているほとんどのクレジットカードの付帯旅行保険は、補償内容が充分ではありません。
分かりやすく説明するために一例です。私の所持しているメジャーなクレジットカード「三井住友VISAカード」に付帯している旅行保険を見てみると以下のような内容でした。
傷害死亡・後遺障害 最大2000万円
傷害治療費用 最大100万円
病気治療費用 最大100万円
「ふむふむ、2000万円もあるので充分じゃないか。」
・・・なんて思いませんでしたか?
重要なのは死亡保障より治療補償です。
考えてみてください。海外旅行で「死亡する確率」と「怪我や病気の確率」はどちらが高いでしょうか?圧倒的に後者です。そもそも死亡補償は扶養している家族でもいない限りあまり必要ありませんし、生命保険に加入していればそちらでカバーされます。しかも「傷害死亡」なので、事故などでの死亡は補償されても病気で亡くなった場合は適応されません。
注目すべきは治療費用補償の金額です。それが上記の例では100万円。これでは正直心細い。海外で入院となれば内容にもよりますが200万~1000万以上はかかる場合があります。
■海外治療費事例(損保ジャパンより)
・ケース1:アメリカで急性盲腸炎 198万円
・ケース2:シンガポールで誤って転んで骨折し入院 375万円
・ケース3:スイスで誤って転んで骨折し入院 526万円
ここが要注意ポイント。
ほとんどのクレジットカード付帯保険は治療費用が足りていません。私の所持しているUCゴールドカードでさえ治療費用は200万円で、これでもやっぱり心細い。治療費用は、ほとんどのパック保険では1000万円が最低ラインになっているようにできれば1000万円ほどかけたい。またアメリカなど医療費の高い国に行くなら2000万。実際にハワイで倒れてICUに入院して2000万円かかった事例があります。
そこで治療費用のみを別途バラかけします。バラかけは損保ジャパン等で取り扱っています。
ちなみにバラかけではなくパック保険を利用すると、バラかけの倍以上の費用がかかりますし死亡保障や携行品損害などがカード付帯保険と重複していてもったいないです。
クレジットカードは旅行保険が付いてるという利点ばかりクローズアップして、このあたりの情報はあまりアナウンスされていないのでご注意。
【まとめ】無駄なく保険に加入するステップ: 1.持っているクレジットカードに海外旅行保険が付いているか確認する 2.保証内容と保険適用条件を確認する。旅費(ツアー代や航空券代)の支払いが条件の場合、そのカードで支払うようにしましょう。 3.カードでカバーしきれていない部分のみ、別途保険をバラかけする こうすると保険料がリーズナブルですみます。 |
【コラム】「携行品損害保険」について 携行品損害保険とは、旅行中に携行している手荷などにかかる保険です。例えばスーツケースなどが盗難にあった場合に相応の金額が支払われます。基本的に現金や金券には適用されません。 ところで、いざ盗難にあったとして保険金をもらうには現地の警察に行って「盗難証明書」を書いてもらわなければなりません。言葉の通じない国で警察で事情 を説明して証明書をもらうのはなかなか大変です。旅の期間が短い場合などいちいち警察に行く時間などないこともあるので、損害はあきらめざるを得ない可能 があります。 なので基本的に「旅先に高価なものは持っていかない」ようにするのが一番です。 また、未使用の鉄道チケットや航空券は保証の対象になりません。そのかわり、それが盗まれたことによってかかった費用(新しくチケットを買ったなど)は対象になるのでレシートはとっておきましょう。 |